【入社目前の悲劇】社内ニートへの道

その会社は地域密着型の企業で(業界は控えさせてください)、いわゆる同族経営の中小企業だ。取り扱っている商品は普段表には出ることのないような精密機器や計測機器である。

 

あからさまにブラックな印象が感じ取りにくかった。

 

社員数100名未満、資本金5千万未満の会社にしては本当にまともで可もなく不可もない会社だ。

 

そんな会社に入社が決まり、大学もあとは卒業を待つのみということで時間しかなかったのでもっぱらバイト戦士だった。(バイト漬けの日々と言うこと)

 

 

しかし、入社前にある苦悩に悩まされる事件が起きた。

会社の採用担当から、社内で一人結婚に伴って退職する人がおり、そのお別れ会兼シーズン的にも忘年会の季節でもあったため、挨拶がてら僕を招待してくれたのだ。

 

もちろんその会に是非と返事をし、当日を迎えた。

 

当日待ち合わせの居酒屋につき、僕の隣には、昨年中途入社した社員が座ってくれたので、研修内容や仕事のこと、社内の雰囲気などを教えてもらった。やはり思った通りの社風で人間関係も安心できた。仕事内容については、かなり専門的でニッチな業界なこともあり、今から考えても仕方ない為入社してから考えようと思った。

安心して楽しくお酒も入りだしたときに、事件が起きた。

 

遠くの席で飲んでいた営業マンたちの島でなにやら悲鳴と怒鳴り声が聞こえてきた。

そこに目をやると、なんとテーブルの真ん中に男性社員の一人が白目で倒れていたのだ。

明らかに呼吸のリズムがおかしく、意識がほぼないことが遠くからでもわかった。

 

驚くことに周りの社員は笑いながら特に慌てることなくどうしよー、救急車呼ぶべきー?的な会話がをしているだけで誰もその男性の介抱や心配もしていないように見えた。

 

「なんなんだこの会社、、、人が白目向いて倒れてんだぞ?!」

 

見かねた社長が直々に救急車を呼んで対処していたが、僕はもう気が気じゃなかった。

結局その倒れた社員はお酒の飲み過ぎによるアルコール中毒だったらしく、命に別状はないということを後日採用担当からお詫びのメールとともに知った。

飲み会の帰り道、他の社員が僕を駅まで送って行ってくれたのだが、その最中ずっと「普段はこんなことは起きたことがない」だとか「安心して入社してきてほしい」などと終始説得のような言い回しで僕の不安を取り除こうとしてくれた。

 

「いや、いやいやいやマジでおかしくないか?」もはや頭の中でこの言葉を繰り返すことしかできないぐらいその日は動揺した。

 

あまりにもお酒のマナーや対処の仕方がおかしいし、最近の大学生でもこんなにひどい飲み会にはならないだろ、、、

 

でも今更就職活動を再開しても、時期は12月の末。 この時期まで採用を続けている会社なんて絶対にろくなもんじゃないしな、、、

こんなの新手の詐欺だろ、、、

 

 

僕は結局その会社に入社することを決めてしまった。

 

 

次回、入社編です。

次回も見てくれたら喜びます。

 

それでは。